2012/02/09

二月のパパのハミルトン


 白い机の上の 白いキーボードにひたすらにむかう
手元を照らす白熱電球(白ライト)に 高くつまれた真っ白いカッターシャツの山  
くらくらするほどのハレーションである



 新調した判子が白い机に紅をさしていまして  そうです 近いうちに名前が変わるのです
パパからもらったハミルトンの時計が それまでの残り少ない時間を刻みますから いまの緑川百々子という名前をほんの手癖で "新しいテキスト" にうちこむのです
するとパパのハミルトンに何かがうつりこむ  白い肌に紅一点
キスマークかとおもったものは 町野くんの返り血でしたから わたしはお風呂にはいろうとおもいまして 書斎をあとにしたのです