2015/12/28

no mame



ある男の子の女性の名前を発する時の発音、とてもたおやかに聞こえてわたしの名前じゃないのにドキドキする。
普段はさほど淑やかではない人で尖ってて冷たくて怖いなと少し思っていたのだけど、それと裏腹なぎこちないちゃん付けがとても可愛らしかった。
ぎこちなくて、優しくて、ぶっきらぼうで、たおやか。
それから、あとひとさじの「わたしの名前じゃない」というもどかしさ。



2015/12/19

指輪の跡を回る衛星



へびの入墨 耳鳴り 指輪の跡 とおくの街
チューニング 愚か者 乗り遅れる最終電車
やましさ サイダー ダンピング star dust
あなた 太陽 わたし 自販機にたかる羽虫
ステイシー 光る髪 煙草の火 白くなる息
まっ黒い夜と それにとけるあなたの後ろ姿





2015/12/09

2015年


1月
クリスマスプレゼントでサンタさんにもらった大きなテディベアに抱かれて眠る。
2015年を迎えるにあたって唯一したことは口紅を新調すること。イブサンローランの16番。
おみくじは大吉で待ち人は来るらしい。
絵を描くことは寂しさを和らげる手段の一つで、絵の中の人物なりと話しているような時間を過ごすような感覚。
雪の日にはゲームの雪のステージのBGMを。

2月
大好きなバンドの二年ぶりにして二度目のライブ。
身を軽くして新しい物を一から受け入れる準備をする。
番組でアカギについて語り竹書房さんから近代麻雀やアカギの新刊をいただき中学生の頃悶々と麻雀に没頭した日々が幾分か救われる。

3月
何かに縛られるということは本当の自由を実感させる。
パラボリカ・ビスにてお茶会が開催される。
期待に応えられない自分をちょっと咎める。
春を迎えるには捨てておかなければいけないことがある。
空っぽになり新しい季節に染まるために。
ちょっとだけ遠くに行くにはいい季節。雨の難波・真昼間にニットじゃちょっとだけ暑い天王寺。紫煙の籠った半地下の喫茶店。ガムシロップを入れすぎたあまったるういミルクセーキ。失えるものはあと命くらいだと思っていた。

4月
撮影、イベント、収録。お花見は居心地が悪くて居られなかったけど、身の丈に合った小さくて穏やかな春。
茶色い髪にも慣れてきて、新しい季節に染まれるだけの準備はちゃんとしてきた。反省に反省を重ねても後悔のない「こと」をしてる。だからなんともないんだ。

5月
髪が黒く染まる。
人の存在はとても不安定でグラスの淵から足を滑らせて簡単にソーダにとぷんと沈んでしまえる。
だからこそ、強いバイタリティ、生命力に圧倒される。それはきらきらしててぱちぱちしてる。
夜景の街をどこまでもどこまでも歩き続けて、また今年も暑い季節がくる。

6月月が見えない夜にはわたしが海底撈月で和了るから月が綺麗と言ってね。 誰にも咎められない身の丈に合った小規模で堅実で馬鹿げた生活。 大きな夢を捨ててしまいたくなるくらい。


7月
今年も気温が上がるにつれ持病が悪化し週に二回の通院生活。
家病院家々病院。点滴の打ち過ぎで腕に大きな痣ができた。小宇宙のような痣だ。
もう二度と会わないであろう人の顔や大きなわがままや今年初めてのかき氷。
変わっていく物を責められるほどわたしは元のままではいられなかった。
とにかく具合がわるいくて、日の下を歩けば目の前がゆがむような夏。火の国。死に花はわたしの浴衣の花の事。

8月
暑すぎて暑すぎて溶ける前に命が堕ちそうな季節。
頭の真上まで登り弾けた大きな大きな花火は空から星が降ってくるかのようだった。音と花火のあまりの大きさに一緒に見た友達はこんなの戦争だよ…と怖がっていて、わたしはなんだか楽しくなる。フィナーレも終えた束の間、圧倒された人たちの声はなく波の音だけが響き隠れていた満月に照らされ、今年の夏もとてもいいものだったと心の中でそっと唱えた。

9月
念願のうまるちゃんのコスプレをした。
わがままも言ったし、馬鹿なこともしたし、もっと賢くなるし、大切な物を守るための強さがほしいと思った。
毎年秋は苦手だけど、今年もなんとか乗り切る。
大切にしたいものがたくさんある。
泣かないこと言葉を荒げないことで守れるわたしの少しの輝きを丁寧に磨いていきたい。

10月
映画「レイニー&アイロニーの少女コレクション」がロードショー。
分筆の仕事なども始まり、秋の物悲しさに浸るに至らない程には充実した生活。
だけれど、人肌恋しいのは毎年同じことで撮影やイベントで見られる人の笑顔に励まされる。
新しい服を着ると幸せになれる事を学ぶ。

11月
今年も無事に迎えたお誕生日。生誕祭、およびその近辺での生誕イベントもなんとか終了。
生誕祭ではライブをやろうと思いつき久しぶりにギターを弾く。短い爪もたまには悪くないね。
マイクロフォンを通した自分の声が好きだ。大きい音でギターを鳴らすのが好きだ。わたしは自分の声が小さいことがすごく恥ずかしいのにそんなことどうでもよくなっちゃうくらい大きな事をしたい。
ビデオテープがかすれるように同じことばかり繰り返したら劣化が進んでしまうということはわかってる。だけどわたしは成長しているし、今が一番だと胸を張って言えるよ。これは周りのみんなのおかげ。

12月
怒涛の11月が終わってこたつで惚けていたので、また今年も一年を振り返ってみました。
思い出は着飾って美しくなるが今が一番良いと言える今のわたしがわたしは結構好きだ。