白い机の上の 白いキーボードにひたすらにむかう
手元を照らす白熱電球(白ライト)に 高くつまれた真っ白いカッターシャツの山
くらくらするほどのハレーションである
新調した判子が白い机に紅をさしていまして そうです 近いうちに名前が変わるのです
パパからもらったハミルトンの時計が それまでの残り少ない時間を刻みますから いまの緑川百々子という名前をほんの手癖で "新しいテキスト" にうちこむのです
するとパパのハミルトンに何かがうつりこむ 白い肌に紅一点
キスマークかとおもったものは 町野くんの返り血でしたから わたしはお風呂にはいろうとおもいまして 書斎をあとにしたのです