2012/02/09

二月のパパのハミルトン


 白い机の上の 白いキーボードにひたすらにむかう
手元を照らす白熱電球(白ライト)に 高くつまれた真っ白いカッターシャツの山  
くらくらするほどのハレーションである



 新調した判子が白い机に紅をさしていまして  そうです 近いうちに名前が変わるのです
パパからもらったハミルトンの時計が それまでの残り少ない時間を刻みますから いまの緑川百々子という名前をほんの手癖で "新しいテキスト" にうちこむのです
するとパパのハミルトンに何かがうつりこむ  白い肌に紅一点
キスマークかとおもったものは 町野くんの返り血でしたから わたしはお風呂にはいろうとおもいまして 書斎をあとにしたのです



2012/02/05

大丈夫、宇宙は膨張しているから


二月になりました
二月も五日目にして  やっと一月にさようならをしていることに気づく
こうも季節に疎いのに 天気には人一倍敏感で いつもきみには天気や夢の話ばかりをしたね


最近はというと、救われたい 救われたい、と常日頃 唸っておりまして
こんなわたしですが 如何に救われようか試行錯誤してみたのだ
たとえば、宇宙が膨張していることを理由にしてみたり  延々と熱めの湯につかってみたり
特撮をみよう、と題しまして ゴジラvsメカゴジラを上映したり
しまいには 救われたかった事など ぽっかりとあたまの中からきえてしまい、士郎正宗の短編アニメのovaに見入っているのでした
パパの代からのサイバーパンクです



町野くん、きみが嘘をつく時に !をつけてしまうことなど
わたしは まるっとお見通しなのだよ ?


町野くん、君がつまらない人間であることは何の罪でもないのだよ
面白い人間になろうとする その無駄な努力が罪なのだ